テキスタイルは多種多様であり、その取り扱い、印刷、最終製品の価値に影響を与えます。天然繊維(コットン、リネン、シルク、ウール)と合成繊維(ポリエステル)、それらの混紡、そして適合するインク(反応性インク、顔料インク、酸性染料インク、昇華インク)を理解することは非常に重要です。ネッサン・クリアリーは、プリントコストよりも生地の品質を重視することの重要性を説き、捺染プリントを底辺の競争から高価値のアプリケーションの領域へと引き上げる。
テキスタイルを基材としてひとくくりにするのは簡単ですが、さまざまな種類のファブリックは多様なルーツを持ち、異なる取り扱いや加工を必要とし、異なる用途に適しています。このことは、それらの布地へのプリント方法や、Direct-to-Fabricのような捺染プリントをめぐるさまざまな市場用途に影響を与えます。
さらに言えば、生地は最終製品の価値提案に直接影響する。プリント・サービス・プロバイダーの間では、DtGプリントとDtFプリントの相対的なコストなど、プリント・プロセスに関する会話がなされることがあまりに多い。しかし、これでは、最も安価なテキスタイルを最も安価なプリントで使用するという底辺の競争になるだけだ。アパレルからハイエンド・ファッション、そして布団カバーのような家庭用家具に至るまで、装飾は当然で、生地そのものの品質から価値が生まれるような機会は他にもある。

テキスタイルはすべて、天然繊維と合成繊維に分けることができる。一般的に、天然繊維は合成繊維よりも柔らかく、軽く、リサイクルしやすいが、合成繊維は生産コストが安く、シワになりにくい、防水性があるなどの特徴がある。さらに、両方の長所を併せ持つ混合素材も数多くある。
天然素材
天然繊維はさらに、セルロースを主成分とする植物性繊維と、脂質と呼ばれる脂肪やワックスを少量含むタンパク質を主成分とする動物性繊維に分かれる。最も一般的な天然繊維は綿花で、綿花の種子の周りに生育する。Tシャツ、靴下、下着、シーツなどに広く使われている。コットンはまた、タオルやバスローブ、デニムやコーデュロイにも使われている。
コットンにはいくつかの等級がある。最も安価で一般的なのはレギュラーコットンで、繊維を撚り合わせて糸を作り、そこからコットンを織ります。ほとんどのDtGプリントは、コスト削減のためにレギュラーコットンを使用しています。リングスパン・コットンは、繊維を撚り合わせて細くし、コットン繊維の柔らかいロープを作るため、最終的な素材はより柔らかく、軽く、耐久性に優れています。これはまた、よりシャープなプリントを可能にする滑らかな表面を作り出します。次に、繊維がすべて平行になるように梳き、短い繊維を取り除いた梳綿があります。これにより、より丈夫で滑らかな肌触りの素材となり、高価なTシャツやドレスに適しています。最後にオーガニックコットンですが、これは除草剤や殺虫剤を使用せず、有機農法で栽培されたコットンです。
リネンはコットンの代替品として使われることもある。亜麻という植物の繊維から作られ、亜麻仁としても知られている。軽くて丈夫で、吸水性に優れ、コットンよりも早く乾くので、暖かい季節の衣類に適しています。リネンの欠点はシワになりやすいことですが、コットンと混紡することで、リネン単体よりも丈夫で軽い、シワのない衣類を作ることもできます。

コットンもリネンも、反応性インクか水性顔料インクでプリントできます。反応性インクは天然繊維と結合する染料を使用しますが、プリント後の蒸しや洗濯が必要です。顔料インクは同じような手触りを得ることができますが、インクを定着させるために蒸すのではなく熱を使用し、同じ程度の洗濯を必要としないため、水とエネルギーの両方を節約することができます。顔料インクはロールフェッド印刷とDtG印刷の両方に適している。
多くの高価値の用途、特にファッションにはシルクが使われています。シルクは蚕によって生産され、最も一般的なのは桑の木に生息するカイコ(Bombyx mori)です。シルクは現存する天然繊維の中で最も強い繊維のひとつであるという評判があります。また、非常に柔らかく、軽く、通気性に優れ、吸湿発散性に優れています。さらに、繊維は三角柱のような構造をしており、さまざまな角度で光を反射して光学的なきらめきを生み出します。
酸性染料インクを使用した場合、最高のプリント結果を得るには、プリントした生地を蒸して色を定着させ、何度か洗濯して定着していない染料が残らないようにする必要がある。
酸性染料インクはウールなどの動物性天然繊維にも使用でき、反応性インクや顔料インクとも相性が良い。ウールは一般的に非常にかさばり、熱をよく保持するため、暖かい衣類に最適である。アルパカやヤギのモヘアやカシミアなど、原毛となる動物によってさまざまな種類がある。羊毛の中にも、より柔らかく軽いメリノ種や、より粗いコッツウォルズ種など、羊の品種によっていくつかの種類があります。羊毛の質によって、最適なインクの種類が決まります。例えば、メリノウールが使われるほとんどの用途には酸が使われます。
合成繊維
一般的に合成繊維の多くは水を通さないため、防水ウェアには適しているが、汗を衣服内に閉じ込めてしまう可能性がある。伸縮性に優れているため、スポーツウェアに適している。合成繊維は主に化石燃料を原料としており、一般的に耐火性はあまり高くない。
おそらく最も一般的なのはポリエステルで、かなり軽く、通気性に優れているためスポーツウェアに人気がある。ポリエステルはエステル基を持つポリマーの一種ですが、ポリエステルの変種を作るには様々な方法があります。最も一般的なのはエチレン・ポリエステルまたはPETで、サトウキビなどの天然資源からエチレンを生成する植物由来のポリエステルもあります。
通常、転写紙にプリントし、インクを素材に昇華させることで顔料が繊維に結合し、最良の結果が得られる。これにより、優れた手触りと洗濯堅牢度が得られます。とはいえ、ポリエステル用のDtGプリンターを提供している業者もあり、その場合はプライマーを使ってインクを繊維に定着させます。
また、天然繊維の肌触りと合成繊維の機能性を併せ持つ混紡素材も数多くある。ただし、繊維によって顔料の保持力が異なるため、混紡する素材の割合には注意が必要だ。例えばポリコットンは、コットン70%に対してポリエステル30%以上が最適です。
ほとんどの捺染プリント業者は、素材の表面に定着する顔料インクを開発しており、さまざまな種類の生地に対応できるはずなので、この点は問題にならない。しかし、インクを表面に定着させるためのプライマーと、プリントの手触りを良くするための柔軟剤に頼っている。洗濯堅牢度はまだ問題であり、多くの業者にとってこれはまだ進行中である。