イノベーターは昇華型印刷の利点と、2012年のオリンピック開催中に昇華型印刷がソフトサイネージ英国市場に流入したことを分析している。

最近、印刷会社や印刷機メーカーと多くの話をしたが、何度も出てくるテーマのひとつが昇華型印刷、特にソフトサイネージ市場である。この市場を取り巻く大きな可能性を感じたいのであれば、先月ロンドンで開催されたFESPAショーに足を運べばよい。そこでは、幅広い最新鋭の昇華型印刷機に加え、昇華型印刷物が雪崩のように展示されていた。

ソフト・サイネージ市場は、西ヨーロッパの一部ではすでに確立されているが、英国はこれまで、深刻な遅れをとっていた。しかし、2012年のオリンピックのおかげで、ロンドンをはじめ、イギリス全土にある数多くの町や都市がテキスタイルでラッピングされ、この種の印刷物がマーケティング担当者に提供するメリットに対する認知度が大幅に上昇した。

その結果、英国では、ガソリンスタンドの外に設置された涙滴型の旗から、主要なスポーツイベントの広告掲示板に至るまで、非常に創造的で革新的なプリントテキスタイルが国中を席巻し始めている。染料サブプリントテキスタイルの魅力は多岐にわたる。この素材は取り扱いが簡単で、再利用が可能であり、圧倒的な印刷品質と鮮やかな色彩で人目を引き、さらに(PVCと違って)小さく折り畳むことができるため、輸送コストも安い。

この市場に参入する人々の大半は、従来スクリーン印刷機やワイドフォーマットの溶剤プリンターでテキスタイルを生産していた印刷業者だが、この急成長するニッチ市場に参入するために特別に設立された企業の例も見かけるようになってきた(私の知る限り、過去3年間に染料サブビジネスを新たに立ち上げ、大陸の企業に対抗するために短納期の仕事を提供した英国の印刷業者を3社知っている)。

とはいえ、この市場に参入するのは簡単ではない。染料サブプレスは、印刷経験のレベルに関係なく、慣れが必要だ。また、キットも決して安くはない(特に、社内で仕上げを行う場合は、ミシン、トリマー、溶接機などにお金をかける必要があるため)。ガソリンスタンドのオーナー、小売業者、金融サービス・グループ、イベント主催者などが、ソフト・サイネージを切望しているため、今思い切って参入した印刷会社は、先行者利益を得ることができそうだ。